ダウンジャケット(ジャンパー・ベスト等)を自分で洗濯する際、気になるのが
- ダウンジャケット(ジャンパー等)を自分で洗濯しようと思うんだけど大丈夫かな・・・
- ダウンを自宅で洗濯して失敗した話をよく聞くんだけど・・・
- ウルトラライトダウンを洗ったらぺちゃんこになってしまった・・・
- ネット上の情報を鵜呑みにしてしまってよいのか不安がある・・
近年はダウンジャケットをコインランドリーで洗う方が増えてきましたが、コインランドリーで洗ったことがない方にとっては、「本当に大丈夫なの?」と不安な気持ちになる方は多いです。
この記事では、ダウンを自分で洗ったことが無い方でも安心して洗う方法や、自分で洗うよりもクリーニングに出した方が良いダウンを見極めるポイントまで、まとめて解説します。
ダウンを洗う手順を解説するので、自分で洗えるダウンは自分で洗い、クリーニング代を上手に節約しましょう。
ただ、高級ダウンは自分で洗うよりクリーニングに出す方が失敗しなくて済むので安心です。
自分で洗えるダウンの見分け方
まず、洗濯表示を確認すれば、水洗いできるかどうかがわかります。
水洗いできるようであれば、ほぼほぼ自分で洗濯できます。
多くのダウンは「ナイロン・ダウン・フェザー」で構成されている事が多く、クリーニング工場ではこの構成のダウンは、ドライクリーニング表示になっていても水洗いするケースが多いです。というのもドライクリーニングでは奇麗に汚れが落ちないからです。
注意しなければならないのは、「ウール」や「ポリウレタン」などが使用されているダウンと海外ブランドの高級ダウンです。
その理由ですが、ウールは言うまでもなく縮みなど変形する恐れがあるからです。
ポリウレタンは、製造されてから2~3年が寿命とされていて、剥がれたり、ヒビ割れたり、ヨレヨレになってしまったりと、取り扱いに技術を要するケースが考えられます。
海外ブランドの高級ダウンは、水洗いが最も綺麗になるのでドライクリーニング表示であっても水洗いする専門業者は多いですが、たまに移染(色移り)したり色むらが発生するダウンがあります。そのため技術に自信の無いクリーニング店は水洗いではなく、ドライクリーニングをする事が多いように感じます。黒いダウンであれば移染しても目立ちませんが、白やベージュのような明るい色のダウンの場合、着用できなくなる可能性すらあります。クリーニング工場であれば、万が一そのような現象が発生しても、修復できる環境を整えていますが、個人で洗う場合は移染した時の対応は極めて難しいので、高級ダウンは最初からクリーニングにお願いする方が無難です。
モンクレール、カナダグース、デュベティカ、ヘルノのダウンをクリーニング出そうとしたら「断られた!」という話は多く、それだけ高級ダウンの取り扱いはプロでも難しいという事です。
逆に技術をウリに高級ダウンをドンドン受け付けているクリーニング店もあり、技術力の差が大きいのもクリーニングの特徴です。
ダウンを洗う時、洗浄力が高すぎる洗剤を使うと羽毛に必要な油分まで落としてしまいボリュームが無くなってしまう事があるので注意が必要です。次項ではダウン洗いで最も多い失敗例にも触れておきます。
\ 洗濯表示に関してはこちらで詳しく解説しています /
自宅でダウンを洗った時の最も多い失敗例
自宅でダウンを洗った時、最も多い失敗例がダウンのボリュームが無くなりぺちゃんこになってしまうケースです。
洗剤の選び方以外に失敗の原因として考えられるのは「乾かし方」で、最も多い失敗例の原因になっています。
水洗いをして脱水をすると羽毛は偏り団子状になります。
この偏りをほぐさないまま乾燥させてしまうとボリュームの無い偏った形で乾いてしまい失敗になるケースは多いです。
乾燥機を使えば、この偏りをほぐしながら乾燥してくれるのでボリュームは復活しますが、乾燥機を使わない場合は次の手順を必ず実行するようにしましょう。
手順としてはすごく簡単で、洗ったダウンをハンガーに掛けて陰干しをしながら
「表面が乾いてきたら全体を両手で挟むように軽く叩いて中綿(羽毛)をほぐす」
これだけです。
たったこれだけで、ダウンの仕上がりに大きな差が出ます。手間はかかりますが、こうすることで羽毛が偏ったまま乾く事を回避できます。
最もおススメなのは「乾燥機」でダウンを乾燥させる事ですが、乾燥機が使えない場合、この方法は極めて重要になりますので、是非試してみて下さい。
ダウンを洗う手順
①汚れのひどい部分は前処理をする
黒色などの色であれば汚れもめだちませんが、明るい色のダウンだと、襟や袖口の汚れが目立つので気になる方は多いと思います。
ダウンが濡れてしまうと汚れが見えにくくなってしまうので、乾いているうちに処理をするのが基本です。
私はいつも、食器用洗剤を10倍ほど薄め、スポンジの柔らかい面で叩くように処理してからダウンを洗っています。
何故、食器用洗剤を使っているのかというとシミの構造を知れば、きっと納得いただけると思います。
クリーニング工場での「シミ抜き」処理経験を踏まえてお話しさせていただくと、ほとんどのシミは下記の順番で付いていて、上面から順番に落とす手順で処理します。
シミを落とす際、最初に最上面の油膜(油溶性のシミ)を剥がす事から始めます。この油膜を取り除かないまま洗っても油が水をはじいてしまうのでシミは落ちない構造になっています。
まず油膜を取り除き、次に水溶性のシミを処理するといった手順で、上から順番に剥がしていく事でシミが綺麗に落ちるわけです。
ダウンの襟や袖口についてしまう汚れは、「皮脂」であることが多く、この皮脂を取り除くだけで綺麗になることが多いです。
「皮脂」は油分なので、わざわざ専用洗剤を購入しなくても、どこの家庭にもある「食器用洗剤」を使いスポンジ(柔らかい面)で叩く事で、油分を分解し取り除く事が可能で、襟や袖口であれば、この方法で十分です。
私は今でも、ダウンに限らずワイシャツの襟汚れも食器用洗剤で落としてしまうので、クリーニング店にシミ抜きを依頼する事はまずありません。(牛乳石鹸の青を使う事もあります♪)
注意点は、襟や袖口の処理をしたらすぐにダウンを洗う事です。
乾燥してしまうと、処理した部分だけ奇麗になったり、「まだら模様」が出来てしまったり、輪じみなどの跡が残ってしまう事があるからです。
②ファスナーを全て閉めて必ず裏返して洗う
襟や袖口などの処理が終わったら、いよいよ洗っていきます。
手洗いをするなら丁寧に押し洗いしていきますが、ここでは洗濯機で洗う方法を解説します。
注意点は、いたってシンプルです。
ダウンのファスナーを「全て閉めて」、「裏返して洗う」
よくファスナーが他の衣類に引っかかり衣類を痛めてしまうのでファスナーを閉めましょう、という事を言う方がいますが、「引っかかる」だけではなくファスナー自体が壊れてしまう事を防ぐ目的の方が大きいです。実際にクリーニング工場でもズボンのファスナーなど、ファスナーは閉めて洗うのが基本で、衣類が綺麗になってもファスナーが壊れてしまったら「事故」衣類になってしまうからです。シャツなどのボタン類は開いたまま洗いますが、「ファスナーは必ず閉めて洗う」と覚えておきましょう。
ダウンを裏返して洗う理由はシンプルで、表面に傷が付かないようにするため裏返して洗います。
私は、ユニクロのウルトラライトダウンやベストを着用する事が多いのですが、ウルトラライトダウンを洗う時は、いつもこの手順で洗い、脱水後すぐに乾燥機で乾かしてフカフカのダウンを着ています。この手順で洗うようになってからセーターなどを着用する事が無くなったので、その分節約できていると思います。
ダウンを1冬の間、1回も洗わず着用しつづけていると、臭いだったり汚れだったりが気になるので、毎年冬の間でも1回は洗うようにしていて、洗うと気持ち良さが違うのでおススメですよ。
まとめ
ダウン洗いで失敗する大半は、「乾かし方」なので出来る限り乾燥機を使うのがおススメです。
乾燥機を使わず陰干しするなら、ある程度ダウンが乾いてきたら両手で挟むようにダウン全体を叩き羽毛をほぐしながら乾燥させるようにしましょう。
自然乾燥した時に付いてしまうダウンのシワは、アイロンのスチームでもある程度、伸びますが直接アイロンを当ててしまうと、焦げてしまったりナイロンが溶けてしまうのでくれぐれも注意してください。クリーニング工場で使用しているアイロンは、焦げない業務用アイロンなので真似しないようにしてくださいね。
両手でダウンを叩く手間やシワを取り除く手間を考えると、乾燥機で乾かすのが最も楽だと思います。
もし、自分で洗えるダウンかどうかの見極めが出来ない場合は、お気軽にスタッフにお声掛けいただければと思います。
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